「セメント瓦」築年数・推測 50~60年前

こんにちはinex・housingの鈴木です

さて今回は、屋根の葺き替えをご希望という事で先日お伺いした
現場のお話です

今回の屋根材は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャーン! セメント瓦です(ジャーンは余り意味ないです)

ハイ、ドーンとアップ画像です ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

今となっては、当時この瓦が何色で塗装されていたのか
“はたまた”何も塗装されていない「無塗装品」だったのか
表面を見る限りでは推測すら出来ない状態です

下の写真を見てもらうと桟瓦の小口が灰色に見えると思います
元々は表面もこの色だったのかな?とも思われます(白の矢印部分)
只、このセメント瓦は当時、形状に関係なく「無塗装品」も販売されて
いたので正確には判りません
現在は生産中止となっていますので新品も手に入りません

全体的に見た所、大きな“破損”や“浮き”は散見出来ませんでしたが
瓦表面は防水機能を果たしているとはお世辞にも言えない状態で
漆喰の劣化も酷く、いつ“剥がれ”たり“落下”してもおかしくない
状態でした

瓦を数枚剥がした下地の状態が下の写真です
白矢印:小口に塗装の名残りか?灰色
黄色直線:瓦を引っかける桟木
黄色丸囲:下地フェルトに空いた穴
黄色矢印:劣化でめくれてしまっているフェルト 野地板が見えてます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこのアップ画像です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに赤い矢印は長年で溜まった埃やゴミです
フェルトに開いている穴もさる事ながら
止水が目的の下地材(フェルト)がめくれて野地板が見えていたのでは
既に役目を果たしていませんね!
只、当時(50~60年位前)は時代背景も含めて今ほど施工方法や
使用する商品に関して厳密な規定はありませんでしたので、ここの
屋根工事は極々普通に施工されている屋根だと思います
この下地フェルトも当時は普通に使用されていた物ですが現在ではどの
メーカーさんでも屋根の下葺き材としては「標準施工要領」に
“アスファルトルーフィング940以上の物を使用”と書かれています
厳密に言うと屋根の「勾配」や「屋根材」等によってこの“アスファルト
ルーフィング940”でも『使っては駄目!』となっている事もあります
“じゃ何を使うのが適切なの”と、言う話はすごーく話が長くなるので別な
機会にします
要はそれだけこの下葺材のルーフィングが屋根の防水に重要か、という事が
おわかり頂けると思います
因みに瓦とか表面に出ていて防水の機能をしてくれているのを『一次防水』
といってこのルーフィングの様な瓦の下にあって防水機能を発揮している
のを『二次防水』といいます。同じ外装材の“壁”にも、一次防水と二次防水
の機能が求められている
商品があります(その話も又、今度)

(やはり、話が脱線して長くなりますね。。。
本人は全て繋がっている話と思っています、、、スイマセン)

 

最後に瓦表面の動画をのせておきます(動画だと状態がよくわかります)
現調した結果としてご主人様にお伝えしたのは
瓦表面の塗装も残っていませんし(最初から無塗装の場合あります)
現在の、この状態に塗装を施しても数年で塗装が剥がれて(おちて)
しまいます。すでに生産が中止されてる商品という事を鑑みると
費用は掛かってしまいますが今の段階で既存の瓦を撤去して
今、販売されている新しい屋根材を葺いた方が良いですよ!という事を
お伝えしましたその際に野地板や垂木も点検して交換・補強をした方が
ベストですともお伝えしました。

悲しいかな、屋根は雨が漏らないと誰も見向きもしてくれません
「いつも見えないから」という理由で・・・・
でも、“雨風をしのいで”くれていのは、屋根君や壁君なんですけどね。

という事で、今回はセメント瓦屋根の現場調査へ行ったお話でした。